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保育園に入れず育休後に退職、失業保険はどうなる?

保育園探し・保活
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育休を取得するときには、
仕事を継続していく意思があったとしても
保育園に入れないことで「退職」が頭をよぎることがあるかもしれません。

もし
子供の保育園が見つからず、
育休後に退職した場合、
失業保険をうけとれるのでしょうか?

そこで今日は
そのあたりを記事にしました。

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育児休暇は延長できる!

まず
最初にお伝えしたいことは
育児休暇の期間は最大2年まで延長できるということです。

というのも
育児休業は原則的に1年間ですが、
保育園に入れないなどの事情がある場合には、1歳6カ月まで延長ができます

また、2017年10月より1歳6カ月に達する前日までに保育園に入園できない場合、
再延長が2歳に達する前日までできる
ようになり、
育休手当もあわせて受けられるようになりました。

育休は2歳まで延長できます。

せっかく縁があって入社した会社を
保育園が見つからないからという理由で退職するのはもったいないですし
このように育休の延長申請をして
認可保育園や認可外保育園の空きが出るまで保活を行うのも一つの方法
だと思います。

もちろん
「復帰前提」の制度なので
育休後、退職しか考えていない場合に
育休手当をもらうためだけに半年、1年と伸ばすのは
不正受給
となるので注意してくださいね。

育休後の退職は育児休業給付金は返金するの?

そして
上記のように
育休の延長制度があるものの
そんな状況でも保育園が見つからないということは
普通に考えられるケースだと思います。

その場合、退職となると思いますが
もし
育児休暇後に会社を退職となってしまったときは
育児休業給付金、つまり手当を返金する必要があるのでしょうか?

この点に関しては
育児休業給付金は、育児休業開始時点で退職を予定している場合を除き、
育児休業期間中に退職した場合でも
それまでに受給した育児休業給付を返金する必要はありません。

育休後に退職しても育休手当は返金する必要なし♪

というのも
法律では、
『子どもが1歳6か月を過ぎても引き続き雇用される見込みがある』
ことが育児休暇取得の条件で
これはあくまで育児休暇取得時の話です。

育児休暇取得後の進退については特に法律的な定めがありませんので、
もし
育児休暇中に保育園が見つからずに退職になったとしても法的な問題はありません。

育休手当は育休取得前に育休後復帰する目処があればもらえます

ただ
『子どもが1歳6か月を過ぎても引き続き雇用される見込みがある』ことが
育児休暇取得の条件ですので
逆に言えば
もし
育児休暇取得時に
育児休業終了直後に離職が予定されていたのであれば
育児休業基本給付金を受給することはできません。
(下手したら不正受給になる可能性すらあります)

ですが
基本的には
育児休業後に復帰するつもりで
育児休暇を取ると思いますので
(そうでなければ退職してますよね)
育児休暇を取った後に保育園が見つからず退職になった場合は
別に
育児休暇の手当、育児休業給付金を返金するつもりはありません。

失業保険はもらえる?もらえない?

そして
育児休暇のあと、
保育園が見つからなかったのでフルタイムで働けない
もしくは会社に掛け合ってみたが、これ以上育児休暇が伸ばせない
となって
退職になった場合、失業保険をもらえるのでしょうか?

答えとしては
「Yes」でもあり「No」でもあります。

というのも
失業手当がもらえる条件としては
「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上勤務していたこと」
なので
それを満たしている場合、当然失業手当がもらう権利はあります。

失業手当を貰える権利はあります。

この場合、気になるのは
「やむを得ない事情での退職だから、自己都合退職じゃないんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが
残念ながら、
会社都合による退職ではなく自己都合退職となります。

なので
普通の自己都合退職と同様に
会社退職後、90日間の給付待機期間が必要
になります。

ただ
このように育児が理由でのやむを得ない退職の場合は
「特定理由離職者」といって、
通常の自己都合退職者に比べて条件が優遇されます。

育児が理由による退職は「特定理由離職者」として優遇されます。

どういう優遇かというと
まず
通常は
「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上勤務していたこと」
が条件となりますが
「特定理由離職者」の場合、
「離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上勤務していたこと」
となるので
1年未満の勤務実績でも失業手当がもらえる
ようになります。

ちなみに6ヶ月勤務していたの計算方法は
単に雇用保険に加入していた期間ではなく、
加入していた期間のうち、
離職日から遡った1ヶ月ごとに区切っていった期間に、
賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を1ヶ月としてカウントした期間となります。

失業手当が貰える条件をしっかりチェックしましょう。

また
ここで大事なポイントが
「離職の日以前」であり「退職日」ではありません。

つまり
離職の日は育児休暇をとった前日になるので
育児休暇を1年取ろうが2年取ろうが
育児休暇を始める前日までに半年以上勤務していれば
失業手当の条件に当てはまります。

ですので
そこを間違って
「私は1年半も育休を取ったから
 過去1年に勤務実績がないわ」ということで
育児休暇がもらえないと勘違いしないでくださいね。

以上のような観点では
育児休暇が終わった後に退職となっても
失業手当がもらえます。

育児休暇後の退職で失業保険がもらえない理由

ですが、
実質の観点、物理的な理由で
失業手当がもらえない可能性
があります。

というのも
失業手当をもらう前提としてあるのは
「復職する予定がある」ということです。

つまり
会社をやめて、そのまま働かない(今は働けない)
などの状態では
「復職する予定がある」とはみなされないので
失業手当をもらえる対象にならない
のです。

会社をやめて、今働けなかったら、失業手当はもらえない

ですので
おそらく
ハローワークで
「なんで、前の会社、育児休暇後に辞めたの?」
と聞かれて
「いや、保育園が見つからなくて、働けないので」
と答えると
それだったら、
 今、他の会社を探しても、どうせ働けないんじゃないの?
 もっと、落ち着いてから職探ししたら?


そのように言われることでしょう。

たとえば
フルタイムで働いていたのを
パートでの勤務にするために会社をやめました
という話であれば、
まだ話は通じるかもしれませんが
その時は
「じゃあ、パートで働いている間、子供さんどうするの?」
みたいな話になると思いますし
結局の所
「今のその状態で再度働くことができるのか?」
ということを
ハローワークでは確認される
と思います。

ですので
「今すぐに働くことができるのか?」の問いに対して明確な答えがない限りは
「離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上勤務していたこと」
という条件を満たしていようが
失業手当をもらえることにはならない
でしょう。

もし、そんな状態で失業手当がほしい方は
このページに「裏技」を書いておきましたので、ぜひご覧ください。

育児が理由の場合は失業保険の有効期限が伸びる

なので
実質的に、物理的な観点から
おそらく
保育園が見つからないことが理由での退職の場合、
その段階では失業手当はもらえないのですが
実は
ここでも上記に述べた「特定理由離職者」の優遇措置があります。

どのような優遇措置かというと
通常の離職者の場合
失業保険の受給期間(=有効期限)は原則として退職後1年間であり、1年以内に消化できなかった給付日数はムダになります。

なので、通常の離職者であれば
保育園が見つからない場合で
退職後1年以内に求職活動ができない場合、失業手当がもらえません。

普通は離職後1年以内に働けなければ、失業手当がもらえません

ですが
保育園が見つからずに退職して「特定理由離職者」になると
失業保険の有効期限切れを防ぐ救済措置として、
給付期限が1年から、さらに3年延び、合計4年まで延長することができる
制度があります。

そして
この
「特定理由離職者」になるためには申請が必要です。

妊娠の為に退職し、
退職翌日の30日後から1ヶ月以内に
(つまり退職日を起点に2ヶ月目に)
ハローワークで上受給期間の延長手続きを行いましょう。

そして
無事、延長措置を受けた場合に
働ける状態になるまで失業保険の受給期間を最長4年まで延長することができます。

育休後に失業保険をもらうときの注意点

目安はあくまでも目安でしかない

以上のように
保育園が見つからないことによる退職は
「特定理由離職者」
となり
失業手当が貰える条件や有効期限で優遇されますが
出産、育休を経て退職する際の
失業保険に注意点が1つあります。

「そういうものなので」
というだけなので
注意するものでもないのですが 笑
念の為お伝えしておきます。

基本的に
失業手当は会社の在籍期間で計算される
ということをご存知だと思います。

10年未満の勤務90日の支給
10年以上20年未満の勤務120日の支給
20年以上の勤務150日の支給
 65歳未満の場合の失業手当給付日数

この
失業手当の支給日数の基準となる
会社の在籍期間のことを「算定基礎期間」といいますが
この
算定基礎期間に産休・育休の期間は含まれません。

算定基礎期間に産休・育休の期間は含まれません

たとえば
9年間通常勤務をしていて、
そこで産休に入り、そのまま育休を1年間して
退職となった場合、
会社の在籍期間としては10年ちょっとになるので
本来であれば120日の支給になりますが
産休・育休の期間は
算定基礎期間に含まれないので
9年で計算されるため、90日の支給にしかなりません。

入社10年で退職や
入社20年で退職など
ちょうど節目の人にしか影響はしないと思いますが
もらえる日数が1ヶ月変わってくると
生活設計も大きく変わると思いますので
あらかじめ、
この部分は頭に入れておきましょう。

まとめ

今回は
育休の後に保育園が見つからない場合の退職で
失業手当はもらえるのか
という点についてお伝えしました。

まとめると

  • 育児休暇は最大2年まで延長できる
  • 育休後に退職しても、育休手当は返還しなくても良い
  • 条件を満たしていれば失業手当はもらえる
  • ただ、失業手当は復職する意思がある人しかもらえないので、退職後すぐにはもらえない
  • 子供の育児のために退職した人のために、失業手当の有効期限は4年まで延長できる
  • 産休/育休の期間は算定基礎期間(失業手当の計算の期間)に含まれない

という6点です。

保育園不足が叫ばれている近年、
なかなか保育園が見つからない状態で
気持ちも大変だとは思いますけど
「特定理由離職者」という優遇措置もありますので
ぜひ
そういう制度を使いながら
楽しく子育てしてくださいね。

P.S.
上記にも書きましたが
もう1度、
保育園探しと失業手当の板挟みになっている人向けの記事を
紹介しておきます。
是非参考にしてみてくださいね。